東京ドームで行った「THE MATCH 2022」によって、キックボクシング界に大きな動きがありました。
那須川天心選手の本格的なボクシング転向や、武尊選手の休養発表という2大看板の動きによって、キックボクシング界は新たなスターが必要になってきているのです。
RISEとK-1にとって圧倒的なカリスマ出会った2人が同時にいなくなったことは、ピンチでもありチャンスでもあります。
彼らのいないキックボクシング界はこの先どのようになっていくのでしょうか?
この記事では、そんな「天心&武尊のいないRISEとK-1の顔となる選手は誰?」について解説していきたいと思います。
RISEの顔はやはり野杁選手に勝利した海人選手
まずはRISEの顔となりえる選手から挙げていきましょう。
「THE MATCH 2022」では、K-1の人気選手である山崎秀晃選手に圧倒的な勝利を収めた原口健飛選手やK-1王者金子晃大選手に判定勝利した鈴木真彦選手などにも期待ですが、やはり怪物野杁正明選手に勝利した海人選手が筆頭であると言えるでしょう。
戦前の予想では圧倒的に野杁正明選手を支持する人が多かったのですが、見事延長戦の末勝利を掴み取ったのです。
特筆すべきはその戦い方です。
K-1の野杁選手と言えば、非常に固いディフェンスで徐々に圧力で相手との距離を潰し、ボディーやアッパーなど的確に相手の急所を狙っていくスタイルです。
この数年間はその圧力に耐えきれず捕まってしまう選手がほとんどで、怪物と称されるそのままの強さを誇っていました。
しかし、海人選手はその野杁選手の圧力に1歩も引かず、同じスタイルで迎え撃ったのです。
戦前から、「スタイルが似ている」とは言われていましたが、まるで鏡に映したかのように同じ「圧力」や「ブロック」対抗したのです。
今大会のベストバウトと言われるほど白熱したこの試合は、各ラウンドの採点がすべて「10-10」のイーブンとなり、延長ラウンドでようやく海人選手が「3-0」のジャッジで勝利を収めたのです。
良い選手の多いK-1でもずば抜けた強さを誇る野杁選手と互角の戦いを見せ、最後には判定ながら勝利したことによって、「RISEの海人」の名は一気に全国区となりました。
それまでも11連勝中ということでRISEの中ではエース級だったのですが、大注目となった 「THE MATCH 2022」で地位を不動のものにしたのです。
天心選手のボクシング転向でエース不在も心配されたRISEですが、強さとイケメンという両方を兼ね備えた海人選手の存在によって看板選手の交代が成功できたと言えるでしょう。
K-1の顔となるのは天心選手のライバルに勝利した玖村選手
看板選手の交代に成功した感のあるRISEに対して、心配なのはK-1です。
「THE MATCH 2022」で乃対抗戦に負け越したこともそうですが、メイン級の戦いのほとんどで負けてしまったため、「K-1の敗北」という印象が強くなってしまいました。
武尊選手が長期の休養(ベルトも返上)で更に盛り下がってしまっているわけですが、それでも希望の光があるのも確かです。
その光こそが、「玖村将史選手」です。
「THE MATCH 2022」では、長らく天心選手のライバルと言われてきた志朗選手~ダウンを奪うなど見事判定勝利を収めました。
まだ23歳と若く、テクニックも抜群で顔もイケメンということもあり、今後K-1の顔になっていく可能性も十分に秘めていると言えるでしょう。
それまでも金子晃大選手と軽量級の2トップと呼ばれていましたが、今後2人の直接対決で玖村選手が勝利することになれば、一気にK-1の顔へとなっていくはずです。
1年後、2年後に武尊選手が復帰する可能性もありますが、年齢的なことを考えれば、やはり若さのある新しいエースが必要であると考えられます。
RISEとK-1の同階級のライバル関係が今後の鍵を握る
前述した海人選手と玖村選手は、お互いイケメン&強さともに持ち合わせた各団体の顔になれる逸材ではありますが、階級が全く違うので天心選手と武尊選手のようなライバル関係とはなりません。
今回の「THE MATCH 2022」のような盛り上がりを再び起こすには、やはり両団体の同階級のライバルという存在が必要不可欠でしょう。
その筆頭はやはり海人選手と野杁選手ですが、やはり「華」といった点では野杁選手は天心選手や武尊選手に劣ってしまいます。
今後天心選手と武尊選手のように、圧倒的な強さを持つ近い階級の選手同士でライバル関係が築ければ、再びキックボクシング界が盛り上がっていくはずです。
まとめ
今回は、「天心&武尊のいないRISEとK-1の顔となる選手は誰?」について解説してきました。
格闘技史上に残るイベントとなった「THE MATCH 2022」ですが、天心選手のボクシング転向と武尊選手の休養宣言により、ピンチに陥ってしまう可能性もあります。
RISEの海人選手とK-1の玖村将史選手は、若さと強さ、そしてイケメンという武器も持っているため、今後両団体の顔になっていく可能性は高いと言えるでしょう。