今回は、働き方と意識の男女比較からひも解いて、女性が仕事をする上で直面している課題をテーマに、女性の幸福度とキャリアの関係性を考えたいと思います。

現実の就労実態は、男性の正規雇用率は、70%台後半で、年齢が高くなるほど非正規雇用率は低く、自営比率が高くなる傾向にあります。

その反面、女性の年齢が高くなるほど正規雇用率が低く、非正規雇用率が高くなる傾向が見受けられるのです。

結婚が足かせ?女性はどんな職種についているの?

女性の場合、非正規雇用率は、男性のどの年代層よりも高い傾向にあります。
この原因は、結婚によるものと分析され、結婚を機に正規雇用から、非正規雇用へと切り替えていく様子が現実のようです。
非正規雇用率

現実問題、結婚、妊娠、出産、育児と大忙しの女性は、非正規雇用の道しか、現在の社会では用意されていないともいえるかと思います。
では、女性はどのような職種についているのでしょうか?
女性は、医療・福祉(業)、小売業、製造業、飲食サービス業等に従事する傾向にあります。

その中でも、小売業、飲食サービス業では、非正規雇用が占める比率が高いです。

また女性は、正社員も含め、年齢が高くなるほど中小企業に勤務している割合が多く、転職によって、中小企業に移動する傾向が高いようです。




男性と女性との業務内容の違いは?

部下やスタッフを管理する業務や会社の事業などを企画する業務、意思決定・判断を伴う業務などの企業・組織の中核的業務では、男性の場合、年齢が高くなるほど割合が多くなる傾向にあります。

ところが女性は、正社員の場合は、年齢に関係なく男性と同等の意思決定・判断にともなう業務を行っている傾向にありますが、非正規雇用の場合では、企業・組織の中核的業務を任される割合は、低い傾向にあります。

熟練業務である、専門知識・スキルが求められる業務等も正社員では、年齢に関係なく男性と同等に求められますが、女性は年齢が高いほど低い傾向にあり、非正規雇用の場合は、求められる割合は低い傾向にあるようです。
男性と女性との業務内容の違いは?

仕事の負担感からみる男女差は、正社員に関しては、身体の疲れや仕事上の悩みやストレス、病気になる危険性などに対しての意識に男女差はみられませんでしたが、男性よりも女性の方が軽い傾向にあります。

中核的業務への仕事の満足度は、男性の方が高い傾向にあり、中核的業務への継続希望も男性の方が強い傾向にあり、女性との意識の違いが見受けられます。

女性の比率が高い非正規雇用の実態は?

非正規雇用のメリットとデメリットを考えてみると、非正規雇用は、雇用が不安や賃金が低い、教育訓練機が少ないというデメリットがありますが、労働の負荷が小さいというメリットがあります。

ですが、非正規雇用でも男性の場合は、正社員と同等の仕事を求められるケースが多いようです。

非正規雇用になった理由から非正規雇用の実態を探ると、既婚女性は、「自分の都合のよい時間に働けるから」という積極的理由が多かった半面、壮年男性や壮年の独身女性は、「正社員として働ける会社がなかったから」とモチベーションの違いがあらわになりました。
女性の比率が高い非正規雇用の実態は?

非正規雇用の仕事に対する満足度では、既婚女性と男性・独身女性との差が開いている傾向にあります。どんな点で比較しているかは以下の通りです。

l 賃金・収入
l 労働時間・休日・休暇
l 仕事の内容
l 職場の人間関係
l 雇用・就業の安定性
l 能力や知識を身につける機会

これらの点から仕事の満足度をはかったら、既婚女性は満足している人が多かったのですが、男性と独身女性は、不満を抱いている人が多い傾向にあります。




まとめ

女性のキャリアは、結婚に左右される事がわかりました。 正社員よりも非正規雇用の仕事に就く傾向が高いのですが、非正規雇用から正社員になりたいかと問われると、男性や独身女性と比べて正社員を望む声は少ないようです。

それは、ひとえに、非正規雇用になった理由である「自分の都合のよい時間に働けるから」という積極的理由からでしょう。

だから、非正規雇用になったとしても、男性や独身女性に比べて、既婚女性の幸福度は高いという結果になりましたが、果たしてそうでしょうか?

非正規雇用になった理由

もし、結婚して、出産、子育てをしたあとに、非正規雇用ではなく、正社員として働ける環境が社会に用意されていれば、もっと活躍する女性も多いのではないかと想像します。

しかし、それが、女性の幸福度と繋がるのかどうかは、今後の課題だと思われます。